おしるこ科学研究所

人類が生み出した最古の魅惑の飲み物「おしるこ」についての研究に至るまでの壮絶な過程を綴るような超スペクタクル巨編ブログ

元気でな。

2014年5月24日 

 

 

 

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『彼』 は、

 

当初、お隣の県に居たのに、縁あってワタシの元にやってきた。

 

名前は SUZUKI GSX‐R750 K8 BLUE/WHITE

 

走行距離は8,635㎞

 

そのシャープな見た目と、久しぶりに乗るSSである『彼』に、ワタシはどこか一定の距離感を感じていた。

 

「お前に乗れるのか?」

 

そう言われているような気がして、

 

確実に、期待よりも不安の方が大きかった。

 

 

 

 

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五年ぶりのバイクで少し勘が鈍っていたワタシを、『彼』は意外にも優しく受け止めてくれて、いつも一緒に色んな所へ走り、お互いの距離を縮めていった。

 

「意外に乗りやすいな」

 

そう感じていたワタシだったが、

 

このときはまだ、『彼』がその一見深い懐の奥に隠し持っていた、切れ味鋭い刃(やいば) の本当の力を知らなかった。

 

 

 

やがて半年ほど過ぎ、馴染んできたと勝手に思いこんでいた、

 

2014年11月8日、午前7時40分ごろ、

 

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早朝のワインディングで激しいハイサイド転倒。

 

ワタシの思い込みと未熟なライディングのせいで、『彼』に大きなダメージを負わせてしまった。

 

「そんなライディングじゃ話にならないぜ」

 

ワタシは、まるで『彼』に拒絶されたかの様に放り出され、いつしか宙を舞い、気がついた時には冷たい路面を激しく転がっていた。

 

 

転倒時の衝撃は、体感的にはまるで大型客船のスクリューに巻き込まれたかのような、激しく凄まじいものだった。

 

ワタシは右足を骨折してしまい、カウルもバキバキ、ハンドルも折れ、このまま廃車か…

 

 

 

と思っていたのに、主要な部分へのダメージは奇跡的に無かったので、

 

 「もう一度だけ、チャンスを」

 

と、改めてしっかりと『彼』と向き合う決心をして、

 

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2015年4月11日

 

懲りずにストリートファイター仕様として復活。

 

 

  

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『彼』を理解する為に、とにかく走り込んだ。

 

拒絶された悪夢を振り払うように。

 

失った信頼を取り戻すように。

 

その後、街乗りやワインディングでは最高に楽しいマシンとなって、その頃からお互いの距離はどんどん近くなり、再び一緒に色んな所を走り回った。

 

 

 

そして、ワタシの中での呼び名が『彼』から、『コイツ』に変わっていったのもこの頃だった。

 

 

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『コイツ』は、新しい仲間との出会いも連れてきてくれた。

 

 

 

しかし、

 

 

 

 

数年前にやめたハズのサーキット走行への思いがどうしても断ち切れず、

 

 

「コイツと一緒にサーキットを走ってみたい」

 

 

という思いが次第に強くなり、

 

 

 

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再び元の状態にもどり、準備万端で『コイツ』との初めてのサーキット走行を心待ちにしていたところ、

 

2016年4月14日 21時26分。

 

最大震度7 を記録した熊本地震に襲われてしまう。

 

 

 

幸い、地震での『コイツ』へのダメージはそれほどでは無かったが、当時は自宅マンションも倒壊の恐れがあった為、

 

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ワタシは、『コイツ』と一緒に、比較的安全な実家へとしばらく避難することにした。

 

絶え間なく襲ってくる激しい余震やその後の豪雨や台風などの災害を、共に、必死に耐え抜いた。

 

 

そして震災から3か月後、被災していたサーキットの修復も完了し、

 

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 2016年7月31日

 

『コイツ』は、晴れてサーキット走行の夢を再び実現させてくれた。

 

本領発揮とまではいかなくても、最後まで転倒やトラブルも無く、ワタシなりに『コイツ』を思いっきり走らせてあげられたような気がした。

 

そして、『コイツ』は最後まで裏切る事なく、ワタシの走りに応えてくれた。

 

 

そしていつしか、『コイツ』から、

 

 

『相棒』と呼ぶようになっていた。

 

 

それから『相棒』は、また新たな仲間達との出会いを連れて来てくれた。

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その後、数回のサーキット走行を経て、ワタシの極めて個人的な趣味の為、

 

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『相棒』は、まさかの丸目&セパハンララバイ仕様になってしまうことに…。

 

「たまには気分転換もいいだろ?」

 

『相棒』は、ワタシのわがままに優しく付き合ってくれた。

 

 

そして、

  

 

最終的に、再びアップハンドルのハイパーネイキッド仕様となってしまい、

 

またワタシのわがままに付き合わされた『相棒』は、まるで呆れて笑っているかのようだった。

 

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それから、ワタシの次なるステップアップの可能性を模索していくうちに、

 

走行距離も45,000㎞を超え、各所に疲弊が見え始めてきており、

 

これまで色んなワガママに付き合わせてばかりだった『相棒』を、

 

無事なまま、そろそろ休ませてあげてもいいんじゃないかと考え始めた。

 

 

「お互い、これまでよく走ったよな」

 

 

 

 

  「お疲れさん」

 

 

 

ワタシは、

 

 

『相棒』を手放すことを決めた。

 

 

 

 

納車から、今日まで、いつも一緒だった。

 

どこへ行くにも。

 

何をするにも。

 

誰と走るのも。

 

 

お前と出会っていなかったら、今のワタシは無かったと心から思うよ。

 

 

素晴らしい景色と、

 

風と、

 

感動と、

 

 

出会いを。

 

 

本当にありがとう。

 

 

お前は最高の『相棒』だったぜ。

 

 

 

2017年8月5日 総走行距離47,532㎞-8,635㎞(納車時)=実走行38,897㎞

 

 

 お互い、また最高の『相棒』に出会えるように。

 

 

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元気でな。